数理情報第3研輪講
日時 |
2013年12月18日(水), 15:00〜17:00. |
場所 |
東京大学 工学部6号館 238号室. |
講演者 |
松井 都志子 (M1) |
題目 |
ハミルトン系を用いたマルコフ連鎖モンテカルロ法(文献紹介) |
概要 |
マルコフ連鎖モンテカルロ(MCMC)法の主要手法であるメトロポリス法は,ランダムウォークの導入により目標分布からのサンプリングを行う.この手法は,直接サンプリングが難しい確率分布からの統計標本列生成に用いるマルコフ連鎖の構築を行うが,サンプル間の相関に起因する,収束時間の増加や有効サンプル数の減少といった問題がある. 本輪講では,MCMC法の一種である,ハイブリッドモンテカルロ(HMC)法[1][2]を中心に紹介する.HMC法は,ハミルトン系の概念を組み合わせることで大域更新を可能とし,サンプル間の相関,棄却確率を低くさせる.ここでは,背景となるMCMC法の解説に加え,HMC法の紹介,HMC法と数値解析の関連性の考察を行う. |
参考文献 |
[1] J. M. Sanz-Serna: Markov Chain Monte Carlo and numerical differential equations, lecture notes for a course organized by CIME (Centro Internazionale Matematico Estivo) in Cetraro, Italy, 2011(To appear in a volume published by Springer), pp.1-46 [2] R. M. Neal: MCMC Using Hamiltonian Dynamics, in Steve Brooks, Andrew Gelman, Galin L.Jones, and Xiao-Li Meng. Handbook of Markov Chain Monte Carlo. Chapman and Hall/CRC., 54(2010), pp.113-162 |