数理情報第3研輪講

日時
2013年10月23日(水), 15:00〜17:00.
場所
東京大学 工学部6号館 238号室.
講演者
斎藤 翔太 (M2)
題目
行列時系列データに対する非負行列分解
概要

非負行列分解とは,非負な行列を,二つのより低ランクな非負な行列たちの積で書き表す行列分解である.この行列分解は,非負行列のデータに対して,基底を表すほうの行列も非負であり,さらにその係数を表すほうの行列も非負であるため,直感的な感覚と一致するといわれている.例えば,顔画像データの場合,負の値というものは直感的には意味を成さないが,非負行列分解で分解すると,一つ一つの基底は目や鼻などのそれぞれのパーツとして表され,それの足し合わせが全体の顔をなすという直感的な考え方と一致する. しかし,時系列的に発展する行列に対して,それぞれ非負行列分解をしても,分解された行列たちは時系列的なつながりの情報を失っているという問題がある.そこで,本発表では,時系列的に発展する行列に対する非負行列分解アルゴリズムを提案する.非負行列分解アルゴリズムは,局所最適に落ちることが知られている.本発表では,時系列行列データはそれぞれ似ているという仮定をおき,分解した行列を次の行列分解の初期値として用いることで,以上の問題が解決できることを提案する. 発表では,人工データに対する実験で結果で性能をあげていることを示し,いくつか実データでの結果を紹介する. また,最後に,今後の展開を示す.未完成な研究なので,建設的な議論を強く歓迎する.

3研輪講スケジュールへ

3研のホームページへ