数理情報第3研輪講
日時 |
2013年7月9日(火), 17:00〜19:00. |
場所 |
東京大学 工学部6号館 235号室. |
講演者 |
村越 智文 (M1) |
題目 |
固有直交分解によるモデル縮退を用いた偏微分方程式の数値解法(文献紹介) |
概要 |
モデル縮退とは,数式や行列で表現される系がある時,その系の持つ性質をできるだけ壊さないように 解や式の次元を減らすことで,数値計算が楽な簡易モデルを生成する手法である.この手法の一つに, Proper Orthogonal Decomposition: 固有直交分解を用いて,解となるベクトルまたは関数を係数の大きい基底だけで表す, というものがある. [1]によれば,POD を用いたモデル縮退は,偏微分方程式の数値解法として応用できる.具体的には,各時刻における離散点の値を 行列データとして獲得し,その行列の特異値分解を行えば,大きい特異値に対応する基底の線形和が良い近似解となる[1]. 本輪講では,[1]で紹介されている,POD によるモデル縮退とその有効性を述べる理論,及びモデルの生成法をまとめる. また,[1], [2]の数値計算結果から,偏微分方程式から得られた簡易モデルが良い近似解になっている様子を紹介する. |
参考文献 |
[1] P. Astrid: Reduction of Process Simulation Models: a proper orthogonal decomposition approach.
Ph. D. thesis, Department of Electrical Engineering, Eindhoven University of Technology, Eindhoven, The Netherlands, 2004.
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