数理情報第3研輪講
日時 |
2013年6月25日(火), 17:00〜19:00. |
場所 |
東京大学 工学部6号館 235号室. |
講演者 |
小島 広樹 (M1) |
題目 |
常微分方程式の精度保証付き数値計算について(文献紹介) |
概要 |
与えられた方程式に対して,解の存在範囲もしくは一意存在の範囲を丸め誤差の厳密評価を含めて特定する算法として精度保証付き数値計算が知られている. この精度保証付き数値計算は区間演算と呼ばれる,区間に対して定義される四則演算によって実現される. しかしながら,この区間演算のみを用いて常微分方程式の精度保証付き数値計算を行うと, wrapping effectと呼ばれる領域の過大評価が行われ,計算結果の精度が悪くなることが知られている.[1] そこで本発表ではZ.Galias, P.Zgliczynskiによって提案された,logarithmic normによる微分の評価を用いた wrapping effectの抑制法について紹介する[2].またINTLAB(MATLABのToolbox)によって提案手法を実装し, その有効性を検証した. |
参考文献 |
[1] C. Barbarosie: Reducing the wrapping effect. Computing, Vol. 54(1995), issue4, pp. 347-357. [2] Z.Galias, P.Zgliczynski: Computer assisted proof of chaos in the Lorenz equations. Physica D, Vol. 115(1998), pp. 165-188. |