数理情報第3研輪講

日時
2013年5月22日(水), 14:30〜16:30.
場所
東京大学 工学部6号館 238号室.
講演者
小熊 和仁 (M2)
題目
離散平面曲線の時間発展に現れる離散可積分系と離散ホドグラフ変換(文献紹介)
概要

本発表では,Feng,井ノ口,梶原,丸野,太田によって提案された,離散平面曲線の時間発展に現れる離散ホドグラフ変換を用いた,微分方程式の可積分離散化[1]について述べる. ここでは,平面曲線の時間発展に関連する微分方程式として,和達,紺野,市川による弾性梁方程式,複素Dym方程式,短波モデル方程式といった可積分方程式をとりあげる.これらの方程式は,ホドグラフ変換によって,変形KdV方程式,sine-Gordon方程式といった別の可積分方程式と関係付けられる. ここで紹介する可積分離散化は,平面曲線の時間発展方程式に対するEuler-Lagrange変換を利用してホドグラフ変換をおこなうという一連の手続きを,空間,時間の順に離散化していくことによって実現される.まず,もとの微分方程式によって記述される連続的な平面曲線の連続的な時間発展に対する連続ホドグラフ変換を使って,微分方程式を別の微分方程式へ変換する方法を見る.次に,半離散方程式によって記述される離散的な平面曲線の連続的な時間発展に対する離散ホドグラフ変換を使って,半離散方程式を別の半離散方程式へ変換する方法を見る.そして次に,全離散方程式によって記述される離散的な平面曲線の離散的な時間発展に対する離散ホドグラフ変換を使って,全離散方程式を別の全離散方程式へ変換する方法を見る.

参考文献

[1] Bao-Feng Feng, Jun-ichi Inoguchi, Kenji Kajiwara, Ken-ichi Maruno, Yasuhiro Ohta, Discrete integrable systems and hodograph transformations arising from motions of discrete plane curves, Journal of Physics A: Mathematical and Theoretical,44,39,395201,2011.09.

3研輪講スケジュールへ

3研のホームページへ