数理情報第3研輪講
日時 |
2013年4月9日(火), 17:00〜19:00. |
場所 |
東京大学 工学部6号館 235号室. |
講演者 |
櫻井 隆雄 (D1) |
題目 |
IDR(s)法における偽収束問題と自動チューニング(研究紹介) |
概要 |
大規模な係数行列に対する連立一次方程式の求解は,分子構造や電磁場の解析といった科学技術計算において,主要な演算であり最も多くの計算時間を必要とする.そのため,この求解を高速に演算する方法は常に必要とされている.2007年頃,Sonneveldとvan Gijzenにより,拡張IDR定理に基づく連立一次方程式の反復解法のInduced Dimension Reduction (s) method (以下,IDR(s)法)が提案された.IDR(s)法は収束性が良好で高速に解を求めることが可能という特徴がある.しかし,IDR(s)法を用いる際にシャドウ残差の本数を示すパラメータsの値が大きくなると,出力された近似解が要求精度を満たしていない,いわゆる偽収束が発生するという問題があった.そこで,本発表では上記の問題の原因が相対残差の算出における誤差であることを述べ,それを解消する自動チューニング方式について述べる. |