数理情報第3研輪講
日時 |
2012年5月9日(水), 15:00〜17:00. |
場所 |
東京大学 工学部6号館 238号室. |
講演者 |
小熊 和仁 (M1) |
題目 |
行列の同時ブロック対角化アルゴリズムの効率化 |
概要 |
行列の同時ブロック対角化には半正定値計画問題をはじめとしてさまざまな工学的問題への需要が存在する.このことをうけて,同時ブロック対角化をおこなうアルゴリズムが現在までにいくつか提案された.そのひとつである前原・室田が提案した交換子法は,数値誤差に弱かったという従来のアルゴリズムの難点を克服したものであったが,交換子法を実行するためには,大規模疎行列の固有値計算をおこなわなければならず,計算に多大な時間やメモリを消費するという難点があった.だが,大規模疎行列の固有値を効率的に計算する手法もまた,その需要をうけていくつか提案されており,Lanczos 法などの適切な手法を適用することにより,交換子法が抱えている計算コストの難点をある程度解消することが期待される.そこで本研究では,大規模疎行列に対する固有値計算の手法を適用することにより交換子法の効率化をおこない,その性能を数値実験により検証して既存手法との比較をおこなった. |