数理情報第3研輪講
日時 |
2011年5月25日(水), 15:00〜17:00. |
場所 |
東京大学 工学部6号館 238号室. |
講演者 |
倉前 裕成(M2) |
題目 |
連立偏微分方程式に対する分離型構造保存数値スキームと,その離散変分法による解釈 (文献紹介) |
概要 |
連立型の偏微分方程式に対する数値スキームを提案した論文を2件紹介する[1,2]. [1] はプラズマ中のラングミュア波モデルであるZakharov方程式,[2] は超電導現象モデルである時間依存Ginzburg--Landau(TDGL)方程式をそれぞれ 取り扱っている. どちらも複数変数を時間的に分離して交互に発展させる(スタッガード時間格子)形式を取り,またその際に離散エネルギーの保存(散逸)を保証するものになっている. 前者は計算量削減,後者は計算の安定な発展に有効 な性質である. 本発表では,両スキームの構造を離散変分法の拡張として理解できることを示す. さらにTDGL方程式について,[2]のテクニックと,離散変分法の文脈において知られている線型化手法[3] とを組み合わせて新しいスキームを構築したので, そちらについても数値計算結果と併せて紹介する. |
参考文献 |
[1] Glassey, R. T. Approximate Solutions to the Zakharov Equations via Finite Differences, J. Comput. Phys., 1992 (100) pp.377--383. [2] Mu, M. and Huang, Y. An Alternating Crank--Nicolson Method for Decoupling the Ginzburg--Landau Equations, SIAM J. Numer. Anal., 1998 (35) 1740--1761. [3] Furihata, D. and Matsuo, T. Dissipative or Conservative Finite Difference Schemes for Complex-Valued Nonlinear Partial Differential Equations, J. Comput. Phys., 2001 (171) pp.425--447. |