数理情報第3研輪講
日時 |
2010年11月17日(水), 15:00〜17:00. |
場所 |
東京大学 工学部6号館 235号室. |
講演者 |
倉前 裕成 (M1) |
題目 |
陰的Euler法による時間依存Ginzburg-Landau方程式のエネルギー散逸的数値スキーム(文献紹介) |
概要 |
超電導現象のマクロ理論である時間依存型Ginzburg-Landau (TDGL)方程式は時間発展に伴い自由エネルギーを散逸し,定常解に向かうことが知られる.近年,離散変分法を応用してTDGL方程式をエネルギー散逸性を担保した形で数値的に解く研究が行われている[2,3]が,本発表では[1]に基づき,離散変分法とは別のアプローチによってもエネルギー散逸性を持ったスキームが構成できる事を示す.[1]では,有限要素近似されたTDGL方程式の解の存在と一意性証明に重心をおいているが,本発表においてはこの中で数値例を求めるにあたり利用された陰的Euler法スキームの性質,及びLyapnov関数の停留点に注目したスキームの漸近的性質を,離散変分法を踏まえた立場から議論する.また,この性質は変分と時間微分に関する構造が少なくともTDGL方程式と同じ形の偏微分方程式に対して一般的に成り立つものであり,その例として平易に解析解の導ける線形拡散方程式について数値計算結果の定量的考察を行う. |
参考文献 |
[1] Qiang Du, Finite Element Methods for the Time-Dependent Ginzburg-Landau Model of Superconductivity, Comp. Math. Appl. 27 (1994) pp.119-133. |