数理情報第3研輪講
日時 |
2010年10月13日(水), 15:00〜17:00. |
場所 |
東京大学 工学部6号館 235号室. |
講演者 |
榎本 翔 (M2) |
題目 |
滑らかでないハミルトン系に対する離散偏導関数法とRFMMの適用について(文献紹介) |
概要 |
本発表では剛体球の多体問題における,衝突が入ったハミルトン系の数値解法についての話題を取り扱う.この問題の解決策として,[1]において可変ステップを用いたCollision Verlet Algorithm(CVA)やModified Collision Verlet Algorithm(MCVA)が提案されている.今回は,これらのアルゴリズムに可変ステップの下でもハミルトニアンを精度よく保存する離散偏導関数法によるスキーム[2]を組み込んだものを提案する.そして数値実験により,この提案手法が従来法と比較した時に,最も高い精度を保持していることを検証する.しかし,この提案手法は陰的スキームであるため,特にステップ幅を小さくした 場合には計算時間面においての優位性がない.そこで今回はさらに,この改善策として,計算時間の面で大規模問題に有利なアルゴリズムであるFMM(高速多重極展開法)[3]と,通常のハミルトン系への適用を意図した改良版であるRFMM(regular fast multipole method)[4]の概要を紹介し,その滑らかでないハミルトン系への適用に向けての考察も行う. |
参考文献 |
[1] D. Bond and B. J. Leimkuhler, Stabilized Integration of Hamiltonian Systems with Hard-Sphere Inequality Constraints, SIAM J. Sci. Comput., 30 (2007), pp.134-147 |