数理情報第3研輪講

日時
2009年11月24日(火), 16:30〜18:30.
場所
東京大学 工学部6号館 238号室.
講演者
榎本 翔 (M1)
題目
剛体球不等式の束縛条件付きハミルトン系の安定積分法について(文献紹介)
概要

剛体球不等式の制約を受けるハミルトン系多体問題の数値解法について考える。この混成系は衝突点での瞬間力によるモーメント変化と衝突間のハミルトン系の滑らかな流れによって特徴付けされる。しかし、瞬間力の包含により、流れは不連続となり、単一の滑らかな修正ハミルトン系によって解釈されることが出来なくなるため、この系に対しては従来の逆誤差解析はうまく適用されない。
この問題を解決するために、今回は衝突点における衝突作用素と修正写像の使用を通して、滑らかな修正ハミルトン系から派生する二つの手法を紹介する。また、数値実験例により、これらの新しい手法が長時間におけるエネルギー保存性を劇的に向上させることを示す。

参考文献

[1] S. D. BOND AND B. J. LEIMKUHLER, Stabilized Integration of Hamiltonian Systems with Hard-Sphere Inequality Constraints, SIAM J. Sci. Comput., 30 (2007), pp.134-147.
[2] Y. A. HOUNDONOUGBO, B. B. LAIRD, AND B. J. LEIMKUHLER, A molecular dynamics algorithm for mixed hard-core/continuous potentials, Mol. Phy., 98 (2000), pp.309-316.
[3] B. LEIMKUHLER AND S. REICH, Simulating Hamiltonian Dynamics, Cambridge University Press, 2004.

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