数理情報第3研輪講

日時
2009年10月27日(火), 16:30〜18:30.
場所
東京大学 工学部6号館 238号室.
講演者
鳥居 栄太郎 (M2)
題目
Time-Dependent Ginzburg-Landau方程式とその線形散逸スキーム(研究紹介)
概要

 Ginzburg-Landau理論(GL理論)は超伝導現象に対する巨視的理論として多くの成功を収めている。しかし、GL理論を時間にも依存させるような一般化はたいへん難しいことが知られており、時間依存のGL方程式(TDGL方程式)に関する研究では複数の研究者が異なった表式を用いていた。本発表ではまず、[1]に従ってこれらの定式化が実際には同じものを表していることを示す。
 また、TDGL方程式はエネルギー散逸性という性質を持っており、この性質を生かした数値計算スキームが提案されている[2]。このスキームの導出では離散変分法における線形化と呼ばれる手法を用いて時間方向の離散化を行う。この際に、離散的な偏導関数の候補を適切に列挙する必要があるが、特に多変数の場合には全ての候補を列挙する一般的な方法は知られていない。本発表では、いくつかの仮定の下で離散化の形式的な手続きについて議論する。

参考文献

[1] J. Fleckinger-Pelle, H.G. Kaper, and P. Takac. Dynamics of the Ginzburg-Landau equations of superconductivity. Nonlinear Analysis, Vol. 32, No. 5, pp. 647-665, 1998.
[2] 鳥居栄太郎. Ginzburg-Landau方程式に対する線形散逸スキーム, 日本応用数理学会2009年度年会講演予稿集, pp. 411-412, 2009.
[3] T. Matsuo and D. Furihata. Dissipative or Conservative Finite-Difference Schemes for Complex-Valued Nonlinear Partial Differential Equations. J. Comput. Phys., Vol. 171, No. 2, pp. 425-447, 2001.

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