数理情報第3研輪講

日時
2009年10月20日(火), 16:30〜18:30.
場所
東京大学 工学部6号館 238号室.
講演者
鵜島 崇 (M1)
題目
Probability Matching Priorsによる漸近展開とその情報幾何学的考察(研究紹介)
概要

 確率分布関数の漸近展開には,典型的にはEdgeworth展開があり,観測数を増やした際に正規分布に近付く様子を詳しく表現している.このEdgeworth展開において,上手くパラメータを取り換えると,正規近似の精度を向上させることができるが,この計算は精度向上に応じて容易なものではなくなる.
 これに対し,Bayesianの立場では,[1]や[2]に挙げられているProbability Matching Priors(PMPs)と呼ばれる事前分布を上手く取ることにより,所望の精度の漸近展開を得ることを考え,計算量を軽減できるようにしており,近年研究が盛んになってきている.
 Edgeworth展開においては情報幾何学的な意味が見い出せるため,PMPsによる漸近展開式においても情報幾何学的意味を持つことが推察される.本発表では,具体例を用いてPMPsの手法を紹介し,その漸近展開式に対する情報幾何学的アプローチを考察する.

参考文献

[1] Gauri Sankar Datta and Rahul Mukerjee: Probability Matching Priors: Higher Order Asymptotics (Lecture Notes in Statistics 178). Springer, New York, 2004.
[2] Gauri Sankar Datta and Trevor J. Sweeting: Probability Matching Priors. Handbook of Statistics 25: Bayesian Thinking, Modeling and Computation (2005), pp. 91-114.

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