数理情報第3研輪講

日時
2009年7月7日(火), 15:00〜17:00.
場所
東京大学 工学部6号館 235号室.
講演者
榎本 翔(M1)
題目
確率微分方程式の離散変数法について
概要

確率微分方程式(Stochastic Differential Equation, SDE)とは,端的に言うと「ノイズ項の入った微分方程式」の事である.物理・工学・経済など様々な分野においては,ノイズを伴った時間発展する系を考えることが多く,SDEはそれら の系の記述や解析に用いられている.
本発表ではまずSDEについての概説を行い,その後にその離散変数法の概要について述べる.具体的には,SDEの数値解は決定論的な方程式の場合と異なり,近似概念を別にする2種類があり,それぞれ強い近似(strong approximation)と弱い近似(weak approximation)と呼ばれ区別されている.この区別は,クレーデン・プラーテン(P.E.Kloden&E.Platen)により導入された[1].今回はその両者の違いを述べると共に,それぞれの場合の主な近似解法について説明する.更に,より進んだ数値解法としてルンゲ・クッタ型スキームをいくつか紹介する.

参考文献

[1] Peter E. Kloden, Eckhard Platen: Numerical Solution of Stochastic Differential Equations, Springer, 1991.
[2] Peter E. Kloden, Eckhard Platen, Henri Schurz: Numerical Solution of SDE Through Computer Experiments, Springer, 1993.
[3] 三井斌友, 小藤俊幸, 齋藤善弘: 微分方程式による計算科学入門, 共立出版, 2004.

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