数理情報第3研輪講

日時
2008年10月29日(水), 17:00〜19:00.
場所
東京大学 工学部6号館 235号室.
講演者
大槻 俊介(M2)
題目
有理式補間とアダプティブなグリッド点を用いた微分方程式の数値解法
概要

微分方程式の数値解法において,解が解析的であるが特異点が実軸近傍に現れて,良い近似解が得られない場合がある.このような場合にも変数変換と有理式補間に基づくスペクトル選点法を用いて,高精度の近似解を得る方法が提案されている.
基本的なアイデアは,特異点の位置を推定し,特異点を遠くに飛ばす座標変換を行うことである.その際,有理式補間は,特異点を飛ばす変換がグリッド点を写像するだけで実現できるという良い性質を持ち,座標変換と相性がよい.
今回は,基礎となる理論,偏微分方程式への適用および,修士論文に向けた研究について発表する.

参考文献

[1] T. A. Driscoll and L. N. Trefethen: Schwarz-Christoffel Mapping. Cambridge University Press, Cambrige, 2002.
[2] T. W. Tee: An Adaptive Rational Spectral Method for Differential Equations with Rapidly Varying Solutions. PhD Thesis, University of Oxford, 2006.
[3] T. W. Tee and L. N. Trefethen: A Rational Spectral Collocation Method with Adaptively Transformed Chebyshev Grid Points. SIAM Journal on Scientific Computing, Vol. 28, No.5 (2006) pp. 1798‐1811.

3研輪講スケジュールへ

3研のホームページへ