数理情報第3研輪講

日時
2008年10月22日(水), 17:00〜19:00.
場所
東京大学 工学部6号館 235号室.
講演者
土井 聡弘(M2)
題目
大規模な非線形方程式系に対するスペクトルNewton法
概要

数値計算のあらゆる場面で非線形方程式系の解法は欠かせない手段であり,その際に最も一般的に使われる方法がNewton法である.しかし系が大規模になるにつれコストは無視できない大きさになり,それを軽減するために準Newton法やinexact Newton法などの種々の近似的手法が提案されている.
本発表では,その一例として,近年新しく提案された derivative-free スペクトルNewton法[1]について紹介する.この手法は最適化問題に対する最急降下法から派生した手法として提案されたものであり,Jacobian(=derivative)を必要とせず計算量が軽い上に,適切な非単調直線探索を利用することで,大域的収束性を得られるように工夫されている.
今回は,スペクトルNewton法と呼ばれる理由を紹介し,数値実験結果の比較から,どの手法が優れているか考察する.

参考文献

[1] W. La Cruz, J. M. Martinez and M. Raydan: Spectral residual method without gradient information for solving large-scale nonlinear systems of equations. Math. Comp., Vol. 75, pp. 1429--1448, 2007.

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