N-GMRES法によるCP分解アルゴリズムの加速について(研究紹介)

村越 智文
2014/6/25 (水), 15:00-17:00
東京大学 工学部6号館 235号室

 多次元配列の形をとる実データの解析には,テンソルのCP分解と呼ばれる手法が用いられる.例えば,複数人の顔写真のデータにCP分解を適用することで,画像圧縮等への応用が可能である.しかし,最もよく用いられているCP分解アルゴリズム:CP-ALSは,高精度であるが計算時間がかかり,精度よりも速さが求められる場面には不向きである.そのため先行研究では,より速い派生アルゴリズム:ASD [1] や,N-GMRES法によりCP-ALSの収束を加速する方法 [2] が考えられている.
 本研究では,これらのアルゴリズムの性能評価を行うと共に,ASDにN-GMRES法を適用する提案手法の調査を行う.

参考文献
[1] J. Jiang, H. Wu, Y. Li, and R. Yu: Three-way data resolution by alternating slice-wise diagonalization (ASD) method. Journal of Chemometrics, 14, pp. 15–36, 2000.
[2] H. D. Sterck: A nonlinear GMRES optimization algorithm for canonical tensor decomposition. SIAM Journal on Scientific Computing, Vol. 34, No. 3, pp. A1351–A1379, 2012.