担当:相島 健助
題目:逆固有値問題に対するニュートン法
概要:
逆固有値問題とは指定した固有値をもつような行列を推定するタイプの逆問題である.古典的な応用例としてはSturm-Liouville 問題に対する逆問題が有名であり,近年,様々な応用例をもつ重要な問題として認知されその数値解法は盛んに研究されている [1].数値解法は様々なものがあるが,近似解が得られている場合はニュートン法が典型的な解法であり,計算量削減のためには,ヤコビ行列を軽い計算で近似的に与えることが重要になる.
現在,逆固有値問題に対するニュートン法の研究は,連立一次方程式の解法を工夫するものを中心に多々あるが,それらは基本的に [2] で与えられた複数の解法のうちのどれかをベースにするものが多い.本発表では,まず[2]のアルゴリズム的な内容について説明する.後半では,本研究で提案する新たな二次収束スキームについて説明する.これは[2]で提案された中の一つの解法の改良版に相当するものである.
参考文献:
[1] M. Chu and G. Golub, Structured inverse eigenvalue problems, Acta Numerica, 11 (2002), pp. 1-71.
[2] S. Friedland, J. Nocedal, and L. Overton, The formulation and analysis of numerical methods for inverse eigenvalue problems, SIAM J. Numer. Anal., 24 (1987), pp. 634-667.