機械学習と数理モデルを用いた, 前立腺がん間欠的ホルモン療法の耐性獲得予測 (研究紹介)

波多野 卓磨
2014/10/8 (水), 15:00-17:00
東京大学 工学部6号館 235号室

 前立腺がんの間欠的ホルモン療法に関しては, ダイナミクスの再現や進行予測を目指して, 複数の数理モデル[1,2]が考案され, それぞれ一定の性能を上げている. 本研究では, 間欠的ホルモン療法を受けている患者が将来, 治療薬に対する耐性を獲得するかどうかに着目する. 実際の治験によって得られた治療結果の時系列データに対して, 考案されている複数の数理モデルと, 機械学習の手法を利用することで, 治療継続の有効性を高精度で推定することを目指す. これによって, より効果の高い治療の提供が実現すると考えられる.

参考文献
[1] Y. Hirata, N. Bruchovsky, and K. Aihara: Development of a mathematical model that predicts the outcome of hormone therapy for prostate cancer. Journal of Theoretical Biology, vol. 264 (2012), pp. 517–527.
[2] T. Portz, Y. Kuang, and J. Nagy: A clinical data validated matematical model of prostate cancer growth under intermittent androgen suppression therapy. AIP Advances2, 011002, 2012.