担当 : 藤田 敬文
題目 : 時間方向並列化手法MGRITの応用
概要 :
時間発展する微分方程式の数値解法の並列化において，空間方向の並列化と比べ時間方向の並列化は因果律が作用するために難しい．Falgout等は時間方向の並列計算が可能なアルゴリズムとして，多重格子法(Multigrid) のアイディアに基づくMGRIT (Multigrid Reduction in Time) を提案した[1]．
MGRITの課題として，非線形問題を粗い格子上で解くことによる誤差の発生が避けられないことが挙げられる．この問題に対して粗い格子上でも比較的良い結果を得ることが可能とされる構造保存解法を利用した結果を示す．
また，多孔質媒体における多相・多成分の混合流体流れを解析するソフトウェア TOUGH2[2]と組み合わせることで，より現実的な問題への応用を考える．
参考文献：
[1] R. D. Falgout, S. Friedhoff, T. V. Kolev, S. P. MacLachlan, and J. B. Schroder. Parallel time integration with multigrid. SIAM Journal on Scientific Computing, 36(6), C635-C661. 2014
[2] http://esd1.lbl.gov/research/projects/tough/
